実のところ、海外で新しい電話番号が欲しい旅行者はほとんどいません。欲しいのは、銀行や家族のグループチャット、自宅に荷物を届ける宅配業者からの連絡のために、いつもの番号が使えること。そして、モバイルデータは契約中の携帯会社のローミング料金とは別のところから調達することです。
それを実現するのがデュアルSIMです。普段のSIMと旅行用eSIMを1台のスマートフォンに並べ、それぞれが得意な役割を担います。
最近のスマートフォンでのデュアルSIMの仕組み
デュアルSIM対応のスマートフォンには、モバイル回線が2本あります。たいていは物理SIMカードとeSIMの組み合わせですが、最近の機種の多くはeSIMを2つ同時に使うこともできます。回線ごとに設定があり、オン・オフの切り替え、ラベルの設定、データローミングの有効・無効を、もう一方とは別に設定できます。
大事なルールは、モバイルデータ通信に使える回線は一度に1本だけで、通話とSMSはどちらの回線でも受けられるということです。旅行時の使い分けは、この仕組みで成り立っています。データはeSIMに向け、通話とSMSはいつもの番号に任せるのです。また、多くのデュアルSIM端末ではステータスバーやコントロールパネルに回線ごとの電波状況が表示されるので、どちらがつながっているか一目でわかります。
HelloSIMのeSIMはデータ専用なので、いつもの番号とぶつかることはありません。相手を混乱させる2つ目の番号もなく、WhatsAppのアカウントも何も変わりません。
たいていの旅行でうまくいく設定
到着後に目指すべき設定はこちらです。
- 普段の回線:オン、通話とSMSに使用、データローミングはオフ
- HelloSIMの回線:オン、モバイルデータ通信の回線に設定、データローミングはオン
- データ通信の自動切り替え:オフ
普段の回線のデータローミングをオフにしておけば、スマートフォンが一時的にeSIMの電波を失っても、契約中の携帯会社からローミングのデータ料金を請求されることはありません。HelloSIMの回線のデータローミングをオンにしておけば、eSIMは本来つなぐべき現地のネットワークを使えます。データはプリペイド済みなので、追加料金はかかりません。
どちらの回線に何を任せるか
モバイルデータ通信
旅行中は常にHelloSIMの回線です。地図、メール、SNS、メッセージアプリ、アプリを使った通話など、インターネットを使うものはすべてeSIM経由になります。
通話とSMS
こちらは普段の回線です。いつもの番号に電話やSMSをくれた人とは、そのまま連絡が取れます。ただし、海外での通話やSMSの料金は契約中の携帯会社が決めており、高額になることもあるので、長電話の前に現在の料金プランを確認しましょう。メッセージで返信してから、データ通信を使った通話に切り替える旅行者もたくさんいます。
WhatsApp、FaceTime、iMessage
WhatsAppはデータを供給するSIMではなく電話番号にひもづいているので、データがeSIM経由で流れていても、いつもの番号のまま使えます。FaceTimeとiMessageもデータ通信で動きます。デュアルSIMのiPhoneではどちらの番号を使うか選べるので、いつもの番号を選んでおきましょう。
銀行やサービスから届くSMSコード
普段の回線をオンにしておく一番の理由がこれです。銀行、カード会社、航空会社、職場のシステムから届くワンタイムパスコードは、たいてい登録した番号にSMSで送られます。普段の回線がオフだと、オンに戻すまでコードは届きません。
旅行中はずっと、通話とSMSのために普段の回線をオンにしておきましょう。海外でのSMS受信は無料のことが多いものの、携帯会社によって異なるので、出発前に一度料金プランを確認してください。
普段の回線で思わぬ料金が発生するのを防ぐ
デュアルSIMで高額請求に驚くケースの多くは、次の3つのうっかりミスのどれかが原因です。
- 1普段の回線のデータローミングがオンのまま。 飛行機が着陸する前にオフにしましょう。
- 2データ通信の自動切り替え。 iPhoneの「モバイルデータ通信の切り替えを許可」は、電波が弱いときにもう一方の回線のデータに切り替える機能です。オフにしてください。多くのAndroidスマートフォンにも、SIM設定に同様の自動切り替えの項目があります。
- 3いつもの番号での長電話。 海外での通話料金は契約中の携帯会社が請求するので、現在の料金プランを確認し、できるだけデータ通信を使った通話を活用しましょう。
設定手順
iPhoneの場合
- 1出発前に自宅のWi-FiでeSIMをインストールします。「設定」→「モバイル通信」→「eSIMを追加」を開き、メールで届いたQRコードを読み取ります。
- 2案内が表示されたら、「自宅」「旅行」のように回線にラベルを付けます。
- 3通話とSMS、iMessageとFaceTimeのデフォルトを普段の回線に設定します。
- 4到着したら「設定」→「モバイル通信」→「モバイルデータ通信」で、HelloSIMの回線を選びます。
- 5「モバイルデータ通信の切り替えを許可」をオフにします。
- 6各回線の設定を開き、データローミングをHelloSIMではオン、普段の回線ではオフにします。
Androidの場合
表記はメーカーによって異なりますが、手順はほぼ同じです。
- 1「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」(Samsungでは「接続」→「SIMマネージャー」)からeSIMを追加し、QRコードを読み取ります。
- 2見分けやすいように、回線の名前を変更します。
- 3SIMの設定で、通話とSMSを普段の回線に、モバイルデータをHelloSIMの回線に設定します。
- 4ローミングを、HelloSIMの回線ではオン、普段の回線ではオフにします。
出発前と帰国後にやること
デュアルSIMが使えるのは、スマートフォンがeSIMに対応していて、SIMロックが解除されている場合だけです。購入前に両方を確認しましょう。「設定」に「eSIMを追加」の項目があれば、まずは良い兆しです。eSIMは自宅でインストールしておきましょう。プランの日数は、目的地で接続したときに初めてカウントが始まります。
帰国したら、モバイルデータ通信を普段の回線に戻し、HelloSIMの回線をオフにします。電話番号は一度も変わっていないので、ほかに元に戻すことはありません。
