eSIMが登場する前、旅慣れた人の定番テクニックといえば旅行用SIMカードでした。出発前に買っておく小さなプラスチックのカードで、複数の国で使え、ローミングの請求を避けられます。こうしたカードは今もあり、場合によっては今でも正しい選択です。ただ、eSIMはプラスチックなしで同じ役割を果たし、両者の違いは見出しよりも、旅先での日々の細かな場面に表れます。
ここでは、入手してから次の旅行で使うまで、それぞれの段階で2つを比べていきます。
海外のデータプランを持ち歩く2つの方法
旅行用SIMカードは、国際SIMカードとして売られていることもある、クレジットカード大の台紙に付いた物理的なチップです。スマートフォンに合うサイズを切り離し、SIMトレイから自分のSIMを取り出して、代わりに旅行用カードを入れます。
旅行用eSIMは、同じ考え方をデジタルにしたものです。スマートフォンにはチップが内蔵されていて、QRコードを読み取るか、アクティベーションコードを入力してプランをダウンロードします。SIMトレイに何かを出し入れすることはなく、自分のSIMカードもそのままです。
入手するまで
物理カードは、手元に届かなければ使えません。オンラインで注文すると郵送になるので、配達の日数を見込んでおく必要があり、特に出発直前に注文した場合は、封筒が迷子にならないよう祈ることになります。店舗や空港で売られているものもありますが、それが役立つのは、ちょうどいいタイミングでちょうどいいカウンターの前を通りかかったときだけです。
eSIMはメールで届きます。HelloSIMでは、支払い後すぐにQRコードがメールで届き、アカウントとアプリにも保存されます。メールアドレスだけでゲストとして購入できるので、前の晩に予約した旅行でも問題ありません。出発前にWi-Fiでインストールできれば大丈夫です。
カードの差し替えと回線の切り替え
物理カードの場合、差し替えはちょっとした作業です。電源を切り、SIMピン(または曲げたクリップ)を探し、トレイを引き出し、カードを入れ替えて、自分のSIMをどこか安全な場所にしまいます。うまくいかなくなるのは、この最後の部分です。nanoSIMは爪より小さく、ホテルのナイトテーブルや座席のポケット、コートの裏地にあっけなく消えてしまいます。
eSIMなら、取り外すものは何もありません。2つの回線が設定画面に並び、どちらでモバイルデータ通信をするかを選ぶだけです。気が変わっても、ピンを探す必要はなく、スイッチをタップするだけです。
電話番号とSMSの認証コード
多くの旅行者が、出発してから初めて気づく違いです。SIMスロットが1つしかないスマートフォンでは、旅行用SIMカードを入れるには自分のカードを抜く必要があるため、いつもの番号がオフラインになります。その番号への電話も、銀行やオンラインサービスがSMSで送ってくるワンタイムコードも受け取れなくなります。
eSIMなら、このトレードオフを避けられます。HelloSIMのeSIMはデータ専用で、現地の番号なしでモバイルインターネットを追加し、自分のSIMは通話とSMSのためにそのまま残ります。友人や家族との通話やメッセージは、WhatsApp、FaceTime、Telegram、Viberなどのデータ通信アプリで行えます。WhatsAppもいつもの番号のままです。普段の回線のデータローミングはオフにしておけば、携帯会社からデータのローミング料金を加算されることはありません。
物理的な旅行用SIMカードの中には、通話とSMSができる電話番号が付いたものもあります。目的地でどうしても番号が必要なら、それは確かにカードの強みです。
次の旅行でもう一度使う
旅行用SIMカードの中には、手元に残しておいて次回の旅行でリチャージできるよう作られたものもあります。難点は、カードをどこにしまったか覚えておくことと、期限切れになっていないか確認することです。多くのプリペイドカードは一定期間使わないと失効するので、利用規約を読んでおきましょう。
eSIM対応のスマートフォンの多くは複数のeSIMプロファイルを保存できるので、旅行用の回線をメインのSIMの隣に置いておけます。HelloSIMでは、同じ旅行中にデータが足りなくなったら、何も再インストールせずに同じeSIMにチャージできます。別の目的地へ行くときは、その場所のプランを買って同じ手順でインストールするだけです。
メリットとデメリットを比べる
旅行用SIMカードのメリット
- SIMロックが解除されていれば、eSIM非対応のスマートフォンでも使える
- 別のスマートフォンに簡単に差し替えられる
- 通話とSMS用の電話番号が付いたものもある
旅行用SIMカードのデメリット
- 配送の日数がかかる、または店舗やカウンターを探す必要がある
- SIMスロットが1つのスマートフォンでは、自分のSIMを抜かなければならない
- 小さくてなくしやすく、SIMピンも必要
旅行用eSIMのメリット
- すぐにメールで届き、出発前に自宅でインストールできる
- 自分のSIMと電話番号はスマートフォンに入ったまま
- なくすカードも、開けるトレイもない
- 複数の国を回る旅行には、地域プランやグローバルプランがある
旅行用eSIMのデメリット
- eSIM対応で、SIMロックが解除されたスマートフォンが必要
- 1台のスマートフォンにインストールするので、カードのように端末間で移せない
- HelloSIMのeSIMはデータ専用で、現地の電話番号は付かない
あなたの旅に合うのはどっち?
スマートフォンがeSIMに対応していてSIMロックが解除されている、いつもの番号に連絡がつくようにしておきたい、予約が直前になった、あるいは複数の国境を越えるので国ごとのカードではなく1つの地域プランで済ませたい。そんな場合はeSIMを選びましょう。eSIM対応の代表的な機種は、iPhone XS・XR以降、Google Pixel 3以降、最近のSamsung Galaxy SシリーズとZシリーズ、そして多くのAシリーズです。最も確実な確認方法は、設定に「eSIMを追加」の項目があるかどうかです。意外な落とし穴が1つあります。中国本土、香港、マカオで購入したiPhoneは、eSIMのない物理SIM 2枚のモデルであることが多いのです。
スマートフォンがeSIMに対応していない、同じプランを複数のスマートフォンで使い回したい、あるいはいつもの番号を使える状態にしておくより目的地の電話番号のほうが大事、という場合は物理的な旅行用SIMカードを選びましょう。
