自宅にいるときは、モバイルネットワークのことを意識することはほとんどありません。スマートフォンは契約している携帯会社の基地局につながり、画面の隅に表示される名前は変わらず、データ通信はただ普通に使えます。ところが国境を越えると、スマートフォンの見た目は何も変わらなくても、その状況はがらりと変わります。裏側で何が起きているのかを知っておけば、旅行用eSIMを正しく設定しやすくなり、アンテナは立っているのにデータがつながらないときにも対処しやすくなります。
自国のネットワークは国境で途切れる
携帯会社は、1つの国、場合によっては少数の国でネットワークを構築・運営しています。基地局も周波数も免許も、その国の市場のものです。海外に行くと、契約中の携帯会社は通常、渡航先に自社の基地局を持っていないため、スマートフォンはそのネットワークに直接つながることができません。
代わりに、スマートフォンは現地のネットワークを使う必要があります。つまり、訪問先の国で実際に基地局を運営している携帯会社のいずれかです。ほとんどの国には複数の携帯会社があります。問題は、スマートフォンがどうやってそのネットワークを使う許可を得るのか、そして使ったデータの料金を誰が支払うのかです。
ローミング契約をわかりやすく
その答えがローミング契約です。携帯会社同士が契約を結び、ある会社の利用者が、相手の会社のネットワークを訪問者として使えるようにしています。着陸すると、スマートフォンは自分のSIMの発行元とこうした契約を結んでいるネットワークを探して接続し、料金は2つの携帯会社の間で精算されます。
利用者にとって、この仕組みは2つの形で現れます。
- 自宅のSIMの場合、ローミングは契約中の携帯会社がその料金プランに従って請求します。1日単位の定額料金やメガバイト単位の従量課金がよくあり、合計額が予想をはるかに上回ることもあるので、旅行前に現在の料金プランを確認してください。
- 旅行用eSIMの場合、データはプリペイドです。eSIMは独自の契約を通じて渡航先の現地ネットワークを使うよう設定されており、データ容量の代金はすでに支払い済みです。
この2つ目のポイントが、初めてeSIMを使う多くの人を戸惑わせる点を説明しています。スマートフォンから見ると、旅行用eSIMは自分の「ホーム」ではないネットワークに接続しているため、ローミングとして扱われます。だからこそ、eSIM回線ではデータローミングをオンにしないと使えないのです。
海外でスマートフォンがネットワークを選ぶ仕組み
初期設定では、スマートフォンは自動的にネットワークを選びます。着陸して機内モードを解除すると、スマートフォンは周囲の周波数をスキャンし、SIMが利用を許可されているネットワークを見つけて、その1つに登録します。電源を入れてから通常は少し時間がかかり、大きな建物の中にいたり電波が弱かったりすると、さらに時間がかかります。
この動作は設定で確認・変更できます。
- iPhoneの場合:「設定」→「モバイル通信」→回線を選択→「ネットワーク選択」。初期設定では「自動」がオンになっていて、オフにすると電波の届く範囲にあるネットワークの一覧が表示されます。
- Androidの場合:その回線の「モバイルネットワーク」またはSIMの設定を開き、「通信事業者」や「ネットワークを自動的に選択」を探します。表記はメーカーによって異なります。
ほとんどの場合、自動選択が正解です。手動選択はトラブルシューティング用の手段です。アンテナは立っているのにデータ通信ができないときは、渡航先に掲載されているネットワークの中から1つを手動で選ぶと、正しく登録されることがあります。HelloSIMでは、各渡航先のページに利用できるネットワークが掲載されているので、どの名前を探せばよいかがわかります。
海外で画面に表示されるネットワーク名は、通常は購入した会社の名前ではなく、現地のネットワークの名前です。これは正常です。
データローミングのスイッチとは
どのスマートフォンにもデータローミングのスイッチがあり、デュアルSIMのスマートフォンでは回線ごとに1つずつあります。このスイッチは、その回線が自分のホームネットワーク以外のネットワークでモバイルデータ通信を使ってよいかどうかを決めるものです。
旅行中のルールはシンプルです。
- 1旅行用eSIM回線:データローミングはオン。 これがないと、eSIMは現地のネットワークを使えません。データ容量は支払い済みなので、オンにしても費用はかかりません。
- 2自宅のSIM回線:データローミングはオフ。 契約中の携帯会社のデータ通信がバックグラウンドで使われ、ローミング料金として請求されるのを防ぎます。
- 3モバイルデータ通信は旅行用eSIMに設定して、アプリが正しい回線を使うようにします。
この3つを設定しておけば、スマートフォンはデータ通信にプリペイドのeSIMを使い、自宅のSIMはオンのまま、いつもの番号での通話とSMSに使えます。自宅の回線で着信料金がかかるのも避けたいなら、海外で電話に出る前に、契約中の携帯会社の料金プランを確認してください。
4Gや5Gの表示からわかること
アンテナ表示の横にある小さな表示は、スマートフォンがその瞬間に使っている通信方式を示していて、移動するにつれて変わります。
- 4GまたはLTEは、モバイルデータ通信の主力で、HelloSIMのすべての渡航先で利用できます。地図、メッセージ、ネット閲覧、ビデオ通話を快適にこなせます。
- 5Gは、今いる場所で現地のネットワークが5Gを提供し、スマートフォンが対応していて、ネットワークがプランに5Gを提供している場合にのみ表示されます。HelloSIMでは、掲載ネットワークに5Gの表示がある渡航先が該当します。
- 3G、H+、Eなどの古い表示がまだ出る場合、たいていはエリアの端にいることを意味します。電波の良い場所に移動するまで、データ通信が遅かったり途切れがちだったりすることがあります。
表示は、体感速度を保証するものではありません。電波の強い4Gが電波の弱い5Gを上回ることもありますし、人の多い場所ではどのネットワークも遅くなることがあります。表示はどんな種類のネットワークにつながっているかを、アンテナの本数はどれだけ良好に受信できているかを示しています。
ネットワークの様子がおかしいときは
着陸後に何かがおかしいと感じたら、次の順に確認してください。
- 1旅行用eSIM回線がオンになっていて、モバイルデータ通信用に選ばれているか確認します。
- 2その回線でデータローミングがオンになっているか確認します。
- 3機内モードを数秒間オンにしてからオフに戻し、スマートフォンにネットワークを探し直させます。
- 4スマートフォンを再起動します。
- 5ネットワークを手動で選択し、渡航先に掲載されているネットワークの中から1つを選びます。
それでも解決しない場合は、HelloSIMにご連絡ください。サポートチームは[email protected]宛てのメールに24時間以内に返信しており、HelloSIMアプリにはライブチャットもあります。モバイルデータ通信がまだ使えない場合でも、宿泊先やカフェのWi-Fiを使えばメッセージを送れます。
